2013年04月10日

三前摘翠って何?

中国のお茶の世界に「三前摘翠」という言葉があります。近代中国のお茶のパッケージに「三前摘翠」などと印刷されたものがあるそうですし、現在でも使っている言葉のようです。「三前に翠を摘む」というのですから、「三前」の新緑の茶を摘むということです。では、「三前」とは何なのでしょう。「三前」とは、

社前、明前、雨前

のことです。
明前は二十四節気の清明の前を意味し、雨前は同じく二十四節気の穀雨より前を意味します。社前は、春社の前という意味です。春社は立春後の五番目の「戊の日」に行われる土神祭のことです。


ですので、「三前摘翠」は社前、明前、雨前に摘み取られたお茶という意味になるのでしょう。

ところで、南宋の王観国撰『学林』に 「茶之佳品摘造在社前。其次則火前、寒食前也。其下則雨前、謂穀雨前也。」とあるそうです。

つまり、茶の佳品は社前に摘みとられ造られたもので、次が火前(寒食前)、その次が雨前(穀雨前)のものだというのです。寒食は概ね清明の2〜3日前で、この日には火を使ってはいけないといわれているため、あらかじめ作っておいた料理を食べるという風習があるそうです。ですので、「寒食前」を「火前」と表現されているのでしょう。この一文から、当時の文人の中に社前のお茶を好んでいた人がいたことがわかります。

この社前、明前、雨前を2013年で考えてみますと、中国では、

社前  2013年3月23日
明前  2013年4月4日
雨前  2013年4月20日

です。
私が今年初めて新茶を頂いたのは3月17日でしたので、「社前」のお茶を頂いたことになります。宋の文人が聞いたらさぞ羨むことでしょう。

「三前摘翠」は確かに良いお茶を意味する一つの指標ですが、今年の龍井茶などは摘採開始日が非常に早かったため、「明前」どころか「社前」茶が山のように生産されています。そうなると、この指標もあまり役立たない気がします。現代人が、自分好みのお茶を見つけるというのは壮大な道のりのようです。


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posted by bunjindo at 11:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 茶人的豆知識 お茶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月07日

2013年04月04日

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