2014年05月11日

龍井十八棵御茶の伝説。

歴史上に名を残す人、今でも人々に愛され続けているもの、人々が必ず訪れたくなる美しい場所には伝説がつきものです。乾隆帝も愛したと言われる龍井茶にも言い伝えがあります。龍井獅峰山にある胡公廟の側に「龍井十八棵御茶」という龍井茶の祖先とされている老茶樹があります。この18株の老茶樹にも言い伝えがあります。言い伝えですので、内容が人により、ものの本により異なりますが、一つこちらで紹介したいと思います。

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龍井茶の祖先

昔、龍井は貧しい小さな村でした。村人達はいつもほんの少しの食べ物を大切に食べていました。中でも、古びた茅屋に住む老婆の暮らしは大層質素なものでした。この老婆には子供がいませんでしたので、一人でひっそり暮らしていましたが、茅屋の裏にある18株の茶の木には思いを寄せていました。なぜなら、この18株の茶の木は最愛の夫が生きている時に大切に育てていたものだからです。しかし、年老いたせいで、老婆はすっかり茶の木の世話が出来なくなっていました。年々新芽の数が減り、採茶できるお茶もわずかでした。

老婆は大変優しい人でしたので、どれ程生活が苦しくとも、毎年必ず手元に茶の葉を残していました。山を往来する人達が一時でも寛げるように、茅屋の軒先に長腰掛けを並べ、そこに、残しておいた茶の葉で煮出したお茶を置いておきました。

牡丹雪が降るある年の大晦日の夜、村の人々は年越し料理を前に一家で寛いでいました。しかし、老婆には壷の中に残った少しばかりのお茶以外に、何もありませんでした。もちろん、米も残っていませんでした。それでも、新年の朝、老婆はいつも通り、早く起き、お茶を煮ました。

その時、玄関の戸が突然開き、全身に雪をかぶった老翁が入って来ました。この老翁は老婆に、「何故年越しの準備をせず、茶を煮ているのか」と尋ねました。老婆は「大変貧しいので、新年の準備をして神様に感謝することも叶いませんが、お茶だけはあります。だから、往来する人々のために茶を煮ているんです」と答えました。それを聞いた老翁は笑みを浮かべ「何を言っているんだ。玄関に宝があるじゃないか」と言いながら、玄関に置いてある薄汚れた石臼を指差しました。驚く老婆に「あれが宝じゃよ。お前さえよければわしがあの石臼を買ってやろう」と言うと、雪の中に消えていきました。

老翁がほしいといった石臼が大変汚れているのをすまなく思った老婆は石臼にこびりついた汚れ滓をすっかり落とし、その汚れ滓を茅屋の裏にある18株の茶の木の根元に捨てました。そして、龍井泉の水で石臼をきれいに洗い、その洗い終わった水を茶の木の根元に撒きました。

戻ってきた老翁は石臼の中にあった汚れ滓が無くなっているのを見て、大層驚きました。老婆はどうやって石臼をきれいにしたのか老翁に伝えました。すると、老翁は大層残念がり、石臼の中の汚れ滓が宝だったのだと言いました。そして、あの汚れ滓を茶の木の根元に埋めたのだから、あの18株の茶の木は素晴らしい宝となるだろうと言いました。そう言い終ると、老翁は残念そうに帰って行きました。

新年も過ぎ、あっという間に春になりました。この年の茶の木は本当によく育ちました。茶の葉も大層茂りました。新芽は鮮やかで、そして何とも言えない柔らかさでした。老婆の茶の木が大層茂っているのを見た村の人々はその茶の木の種を持ち帰り、自分達の畑に植えました。一年一年、茶の木は増え、立派に茂りました。龍井一帯の野山は茶の木で一杯になりました。

龍井で採れる茶は葉が細く柔らかい上に、味も香りも格別だったため、大変有名になりました。龍井茶を作る人々は今でもあの18株の茶の木は龍井茶の祖先だと感謝し、大切にしています。

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ざっとこのような感じです。
お茶が飲みたくなります。


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posted by bunjindo at 13:00| Comment(0) | 茶人的豆知識 お茶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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